船本由佳のブログです。
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2008年08月24日

越後妻有アートトリエンナーレ

20080817162849.jpg一段と高い山の上にある作品マウンテン
登ってもいい作品です

越後妻有アートトリエンナーレは
三年に一度ある、野外作品のみの現代アートの国際展覧会です。
来年が本展開催年です。

野外作品なので、本展が終了しても作品はこの地に残る場合が多く、三回の展覧会を経て、越後妻有760平方メートルの範囲内に、160点を超えるアート作品が点在しています。

今回私が訪れたのは、「大地の祭り」と題した期間。(8月1日〜31日まで)
作品の多くは、フリーでいつでも見られるのですが、地元の人によって管理されている「家」の作品たちは、いつも鍵が開いているとは限りません。(緑の部屋とか繭の家とか最後の教室とか、そういうのが「家」作品です)
管理人が常駐しているわけではないので、普段はイベント時やトリエンナーレ開催時にのみしかオープンしないのですが、せっかく作品があるのだから、できる限り公開しようと、この夏は期間を区切ってお客さんをむかえることにしたのです。住民の皆さんががんばりました。

実際4日間滞在してできる限り見てまわりましたが、半分も見ることができませんでした。

広い。そしておもしろい!

ぜひ、興味のある方は行って見てください。

そして感心したのは、ボランティアの皆さんと地元の皆さんのかかわりっぷり。
学校にできた寝場所ボランティアは「こへび隊」と呼ばれていて、私が一泊目二泊目に泊まった旧三省小学校に寝泊りして作品を巡回したり、のぼりを立てたり、草むしりをしたりしています。
ほとんどは東京方面から来るヒトだそうです。
学生もいるけれど、社会人が多いのだとか。
中には金曜夜のバスで東京を出て、日曜夜のバスで帰るプランで週末だけ滞在してボランティア活動を行うヒトも多いとか。
一度きてその魅力にはまると、深入りしてボランティアをしてしまうそうです。
なかには、これを仕事にすることにして、移り住んだ人もいるくらい。

ボランティアが支える展覧会の発展形を見た気がします。

それだけ、三年ごとの展覧会が蓄積の元に出来上がってるのだとも思います。総合ディレクターも北川フラムさんで、初回からお一人ですし。

トリエンナーレやビエンナーレを開催するというのが国際的に流行した時期がありました。そんな流れの中で、越後妻有アートトリエンナーレもほかでいうと今年開催年の横浜トリエンナーレもはじまったわけです。
越後妻有の場合は、そうした流れと地域の地域おこし事業の方向性が合致して、市町から三回目くらいまではという見通しで予算が下りて、北川さんが総合ディレクターとして行うことになったわけです。

町おこし・観光促進という意味では、唯一無二のアート作品という観光資源が山ほど生まれたので、大成功だったといえると思います。
全世界からこれを見にくるアートファンがいるでしょう。
しかも屋外の恒久作品だから恒久的に。
それに、作品が介在することによって、地域の奥深くまで鑑賞者が入り込み、住民は何気なく見ている田舎の風景に、かけがえのない美を見出したりするわけです。
そこに住民との会話が生まれます。地域愛へと発展します。
すまなくなった民家の活用で街並みも保つことができます。
海外アーチスト・海外マスコミに対する、日本独特の民家・集落・風俗の紹介にもなりえます。

ただ、管理をしないと作品は傷むということと、管理をしないと公開できない複雑な作品が多数存在するということは確かなので地元の協力が欠かせません。
冬は雪に閉ざされてしまうこの地域で、繁農期に観光客相手をしている場合ではないという住民の声もあるとききます。
町の予算は三回までの予定だったので、来年(四回展)以降を前回とおなじ規模で行うことはおそらく難しいと思われます。

まるで日本の原風景を押しとどめたような景色の中で行われる現代アートの展覧会。
日本人であるわれわれにも失われゆく日本の自然や風俗を見せてくれる貴重な機会です。
きっと来年以降も継続していくことを願っています。

これで今回の越後妻有アートトリエンナーレ 大地の祭りのリポートは終わりです。

この旅もたくさんの出会いがありました。
旧三省小学校でであった横浜から来た女子二人組
夢の家におなじ日に泊まることになった学芸員さんたち
スタッフの方やボランティアの方、地元の方、たくさんお話ができた旅でした。みんなありがとう。

繭のささやき

20080817155946.jpg繭の家

かつてこの地域で盛んだった養蚕をテーマに

二階は真っ暗で繭作品が点在

緑の家もそうだけどここも地域の人が管理していて、すごくいきいきと作品について紹介してくれる

作家の手を離れても大切にされるとてもいいかたちです

みどりの部屋

20080817153044.jpgフロッタージュで飾られた家作品

一階は地域の様々なものを擦りとった作品群

二階は緑一色

開かれた窓に向かって机と色鉛筆

葉をこすりとって作品に参加する20080817153457.jpg

遺影写真撮影します

20080817143902.jpg家プロジェクトのひとつ
遺影を撮影してくれる名ヶ山写真館

家の構造も一番変わってました

横浜の若いアーチストがやっています

ジェームズ・タレルの光の館

20080817132919.jpg畳の部屋に寝転んで、上を見上げて鑑賞するジェームズタレルの光の館

写真は鑑賞の部屋で寝転んで見上げたところだけど、残念、雨が降っていたので屋根がしまっていました

空をフレームで切り取って光の移り変わりを鑑賞するお馴染のタレル作品ですが寝転んで鑑賞できるのはここしかないそう

20080817132450.jpg
とくに、日暮れと朝焼けを鑑賞する時間は宿泊しないと過ごせません
宿泊するともうひとつの作品お風呂も体験することが出来ます
からだが蛍光に光ってすごいことになります

施設利用料二万円を宿泊者全員で分ける形で利用します
食事はなし台所付き
仲間を集めて貸し切りがきっと楽しいでしょう

2008年08月23日

うぶすなの家

20080817114935.jpgうぶすなの家は越後妻有地域の作品の中で最北部にあり、訪れるのも大変です
中越地震で壊れてしまった民家を陶芸家たちがリノベーションしました
カマドや風呂、囲炉裏風の食卓などが陶です

そんな空間で地元のお母さんたちがお昼ごはんとカフェの店をやっています
山菜ハンバーグはバーグの中に山菜の味がして絶品でした

聞くとこの地域は総勢五世帯
うぶすなの家の誕生はこの地域に人の流れを呼び込み、地域の生活はがらっとかわったそうです
主婦のみなさんはやりがいを感じているみたいです20080817122225.jpg

2008年08月22日

みしゃぐち

20080817113013.jpgこれが一番北側にある作品

とてもよかったよ

土を掘って、さらに土をもってつくってある、まるで古代の遺跡のような作品です。
異空間です。こんなところにこんな芸術品があって驚きです。

2006年制作なのに、すでに作品の上に草やコケも生えてきていて、いっそう古代風になっています。

みしゃぐちや胞衣という作品名には、女性の胎内といった意味があるそう。
手前のかげはコガネムシです。

バタフライパビリオン

20080817110928.jpg屋根が鏡になっててたのしいです

フランスのドミニク・ペローさんの作品「バタフライパビリオン」

この屋根は可動式で雪が降る季節は、地面から垂直になるそうです。

バタフライパビリオンこの屋根の下で、能をしたことがあるそうです。
鏡になっている屋根に演者の後姿などが映ってたいそう幻想できだったそうです。


苔が選択する二進法

20080817104727.jpg田中文男文庫の二階はこうなっている。
安堀雄文記念館です。

安堀さんは文化・文政期の発明家。
算数を教え歩いていたときに、考え付く発明品を図にして残していたそうで、この部屋には、それを現在によみがえらせた作品が多数並んでいます。

彼が考えていたのは、いまは「二進法」として知られる考え方。
朝顔に二つの支え綱をくっつけて、左右どちらに伸びていくかを観察する装置(といっても植木鉢と紐だけど)も二つから一つを選び出す二進法を現している。
写真はコケ球たち。ここで言う二進法は「水を吸うか」「すわないか」

なんかわからなくなってくる。

ほかにも水門が幾つか並んでいて、「水が入るか」「はいらないか」の二進法を表す装置などもあります。
オンかオフかの取捨選択ですね。

わかったようなわからないような。

なお、各作品には説明のためのパネルが設置されているのだか、読む気をうせさせるような絶妙な文字の小ささ。行のつまり具合。
つまり、いろいろ数式が書いてあるけど、ばかばかしいから読まなくていいよというメッセージをあえて発信しているようなの。

安堀雄文記念館ほんと不思議。
なお、この建物の外観はこんな感じです。


光る本棚

20080817104028.jpg田中文男文庫.
地域の公民館の建物の中にこんなカラフルな図書館が。

これは、その知識から学者棟梁といわれる田中文男さんの蔵書をまとめた部屋です。

2008年08月21日

注文の多い

20080818134203.jpg白井美穂さんの作品「西洋料理店山猫軒」です

注文の多い料理店言葉を引用して、扉を何枚も設置した作品です。

まつだいの駅の周りは、一日ではまわりきれないほど作品がたくさんあります。
結局私も時間切れ。
また改めて訪れたいです。

バスツアーで訪れた、少しはなれたところにある作品も楽しかったのです。次はそのことについても書きたいです。

かかしプロジェクト

20080818134115.jpgいままでにも紹介していますが大岩オスカール幸男さんのかかしプロジェクトです

ステキな棚田の風景に、おおきな青や黄色や赤のかかし。
かかしというか農作業をするヒトの姿のパネルです

これがないと、ここの棚田の美しさに気づかなかったかもしれません。
よくある風景として見過ごしていたかもしれません。
作品があることが、この風景が注目されるきっかけになっているのだとおもいます。
実際、この作品が設置される前もここは棚田として存在していたわけですが、以前よりも、ここを訪れて歓喜の声をあげるヒトの姿が圧倒的に増えただろうということは想像に難くありません。

みんないままでは見過ごしていたの。観光客も地元のヒトも。

そしてこのかかしの存在は、いまは姿は見えないけれど、この棚田に、田植えをし、水の管理をしているヒトが確かに存在するということを伝えているのかもしれません。
冬になると、ここに棚田があり、春になると水をたたえて田んぼになるのだということを伝えているのかもしれません。

棚田に字を書く

20080818133536.jpg作家はこの風景に心うたれたんだなぁとつたわってきます

棚田をバックに空中に字を書いたように錯覚させる作品。

棚田に文章せっかくなんで、ちょっとアップで紹介できる写真も載せておきます。
バックの棚田にある大岩オスカールさんのかかしとのコラボレーションもばっちりです。

オスカールさんとコラボロシアのイリヤ&エミリア・カバコフさんの作品です。


まつだい食堂です

20080818122430.jpg食堂そのものが作品です

まつだい食堂フランスの作家さんジャン=リュック・ウィルムートさんが作ったカフェです。
天井にこの地域の里山を映した写真が、丸く配されていて、さらにテーブルが全面鏡なので、テーブルにも天井の里山の風景画映し出されるという変わった空間です。

この食堂(カフェ)からながめる棚田の美しいこと。

まつだいランチそして、この食堂の食事はとてもおしゃれで、一品一品が凝っていて、おいしかったです。
鏡のテーブル

日本語だと囲炉裏と説明

20080818121616.jpg火の周り、砂漠の中
ファブリス・イベールさんの作品です。

まつだい農舞台の中にあります。
円形の壁に囲まれた場所のはずなのに、光がない部分は奥行きがあるように感じてしまう不思議な作品でした。

いらっしゃいよくきたねと話す道

20080818114147.jpg通路に話しかけられる作品

「いらっしゃい、いやぁーよくきたね」
「まああがってください、お茶でもどうぞ」
「あいさつなんてええから、はよあがってください、はよう」

とかなんとか。
まつだいの駅から農舞台の建物にいたるまでのこの通路は、センサーとスピーカーが各所に設置されていて、地域のヒトの十人十色の「いらっしゃい」コメントが近づくと流れる仕組み。
IMG_1923.JPG
色分けされた通路にはよく見ると、屋号らしきものがひとつづつ書かれている。
おそらく作家が地域を訪ねたときに録音した、地域のヒトのもてなしの声からできている作品と思われます。

スペインのジョセップ・マリア・マルティンさんの作品です。


米の気持ちになるの

20080817093022.jpg巨大米袋の中を撮影

まつだいの農舞台にあった作品です。
魚沼産コシヒカリの米袋のなかに、入れる作品です。
米の気持ちになる

小沢剛さんと大岩オスカール幸男さん

20080817091615.jpgかまぼこ型倉庫プロジェクトごしのかかしプロジェクト

小沢さんの作品に感動しました。
手前のかまぼこ型倉庫は、大きいものから小さいものまで、たしか7サイズあって、順番に並んでいます。
この地域は、こうしたかまぼこ屋根の倉庫がいたるところにあります。道を行くとすぐに気づくくらいです。

「この形状は雪を落とす工夫だろう」と
ここまではすぐに想像できます。

この倉庫が、トンネルを作るときの廃材からできたものだと知って驚きました。
ここは、トンネルの多い地域です。
たしかにほくほく線は駅を過ぎるとほとんどがトンネルの中。
地下鉄かと笑ってしまったほどでした。

トンネルをほるときに上の地盤を仮に支えていたアーチ型の鉄骨。
これは実際トンネルが完成すると取り外してしまうらしく、その鉄骨の処理に悩んだときに、これを倉庫の骨組みに再利用することを思いついたのだとか。
山を支える強度を持つ骨組みですので、積雪くらいで簡単には倒れません。

しかも、トンネルはこの地域にとって流通のための希望の道であったそうなのです。山肌周りだと常に滑落の恐れがあり、トンネルのない昔は、みないわば命がけで通っていたのだそう。
あるときにすばらしいトンネル技術のうわさがこの地域に入ってきて、トンネルをほることを決断したのだとか。

そんなドラマがあるのです。このかまぼこ型倉庫には。
地域のヒトは見慣れたかもしれないけど、これ(かまぼこ型倉庫)はすばらしくこの地域を背負った姿です。

小沢さんは、地域をたずねてかまぼこ型倉庫とそれにまつわる話を聞いてまわったそうです。
作品中一番大きい倉庫の中には地域を回って撮影したおびただしい数の倉庫の写真が一口コメントとともに飾られています。

それより一回り小さい倉庫作品は、実際貸し倉庫として貸し出しているのだそうです。
それぞれのぞき穴がついているので、中を確認してみたら・・・、笑える光景が広がっていました。
行ってみたら見てみてね。

花咲ける妻有

20080817091241.jpgきょうは横浜に戻って、関内ホールに宮川大助・花子さんの漫才を見に行きました。
生で見るお笑いはやっぱり格別です。
お客さんの引き込む独特の技を持つ芸人さんたちが登場して、その手腕を見せてくれました。
テレビで人気のヒトも出たけど、若いヒト向けだからか、テレビでは定番のネタも、笑いどころが伝わらず、客席ぽかんとしてた。
楽屋に行って、花子さんの好意に甘えてそのまま五輪シンクロを観戦。
花子さんはほんまに気遣いのヒトで、大ベテランの師匠なのに私にも優しくしてくださるし、その人柄に触れるたびに、わたしはこの人を見習おうと思うのです。

ここからは、妻有で見たアート作品をできるだけ紹介してみます。
これは草間弥生さんの水玉のラフレシアのような作品
とって食べられてしまいそうです
いや、たぶんなんか食べてるとおもう。
まつだいの駅から見える位置にあって、広さでいうと10メートルある大きな作品です。

2008年08月20日

まつだいの道の駅

20080817090212.jpg頭上にもアート
まつだいの道の駅兼鉄道駅です

あさからにぎわっています
夢の家に行く当日は十日町発のバスツアーに参加しました
200くらいある作品の中からこの日は北回りに数箇所まわって作品を鑑賞します
展示が広範囲に及ぶためこうでもしないと作品鑑賞が進みません

宿からバスとほくほく線を乗り継いで待ち合わせ場所へ

乗り継ぎのまつだい駅では1時間半時間が余り、付近を散策

このとき旅仲間トモミが合流
瞬発力でかけつけました
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